床の物を拾うたびに前かがみ…|リーチャーを、理学療法士が4つのポイントでチェック

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。

「床に落ちた物を拾うたびに、前かがみになっている」「高い棚の物を取ろうとして、つま先立ちになった」。高齢の親のそんな姿が気になったとき、リーチャー(マジックハンド)が候補にあがることがあります。

この記事では、リーチャーを選ぶときに、理学療法士が見る4つのポイントを整理します。例として、折りたたみ式でマグネット内蔵のリーチャー(ブランド:EZPIK)を、販売ページの記載をもとにチェックします。

この記事で分かること

  • リーチャーを選ぶ4つのポイント
  • 紹介するリーチャーの特徴(販売ページの記載)
  • 向いている人・向かない人と、気になる点
  • 使うときの注意点

物を拾う動作は、「前かがみ」と「つま先立ち」が危ない場面です

床の物を拾うときは、体を深く前に倒します。高い所の物を取るときは、つま先立ちになって手を伸ばします。どちらも重心が不安定になり、ふらつきやすい動きです。転びやすくなる要因は、高齢者が転ぶ原因でも整理しています。

リーチャーは、こうした動作を減らす道具のひとつです。ただし、リーチャーを使っても、片足に体重をかける場面は残ります。道具の選び方とあわせて、使う姿勢も見直しましょう。

紹介するリーチャーとは(販売ページの記載)

楽天市場の販売ページ(SoraSelections)では、次のように紹介されています。ブランドの公式ページは確認できませんでした。商品ページに文字化けがある部分もあるため、購入前に、販売ページで最新の情報を確認してください。

  • ブランド:EZPIK(マグネット内蔵のマジックハンドPRO)
  • 長さ:80・90・100・110の4つのサイズ展開(単位は販売ページで確認してください)。折りたたみ式で、伸縮できる
  • 重さ:サイズによって約255〜310g
  • 耐荷重:垂直で2.2kg、水平で1kg
  • 先端:磁石を内蔵し、ネジやピンなどの小さな金属も拾える。360度回転し、90度ごとに固定できる
  • 素材:アルミ系の素材に、ゴムやシリコーン系の滑り止めの記載あり(詳細は販売ページで確認)
  • 注意:海外製品のため、写真と実物に若干の違いがある場合がある

価格は販売店によって変わるため、各ショップの商品ページで確認してください。

理学療法士が見る、リーチャーの4つのポイント

次の4つで見ると、親の体と暮らしに合うかどうかを判断しやすくなります。

リーチャーを選ぶ4つのポイント:1 長さ、2 つかむ力、3 重さ・握りやすさ、4 使う姿勢

1. 長さ

床の物を拾うなら、立ったまま床に届く長さが必要です。高い棚の物を取るなら、もっと長さがいります。ただ、長いものほど先端が揺れて、狙いにくくなります。この商品は4つのサイズ展開なので、使う場所(床・低い棚・高い棚)を先に決めてから選びましょう。

2. つかむ力

拾いたい物の重さに耐えられるかを見ます。この商品の耐荷重は、垂直で2.2kg、水平で1kgと書かれています。軽い衣類やリモコンには足りても、重い物や、水平に持ち上げたいときは、余裕が少なくなります。厚みのある物や、滑りやすい物がつかめるかは、販売ページに詳しい記載がありません。

3. 重さ・握りやすさ

リーチャーは、手首で先端を操作します。重いと、腕や手首がつかれて、狙いがぶれます。この商品は、サイズによって約255〜310gです。握力が弱い方や、手首に痛みがある方は、持ち手の太さ、握り込む力の重さが合うかを、購入前に確認しておくと安心です。

4. 使う姿勢

リーチャーを使っても、物を拾うときに前かがみになったり、片足に体重をかけたりします。壁や机に手をついて、足を安定させてから使いましょう。立ち上がるときの動きは、立ち上がりの介助のしかたも参考にしてください。階段や段差の近くでは使わないでください。

向いている人・向かない人

向いている人

  • 床の軽い物を拾うとき、前かがみがつらい
  • 高くない棚の物を、つま先立ちをせずに取りたい
  • 折りたたんで、しまっておきたい

向かない人

  • 握力が弱く、手首の操作が難しい
  • 重い物や、かさばる物を拾いたい
  • ふらつきが強く、立ったまま道具を使うのが不安

気になる点(デメリット)

  • ブランドの公式ページが確認できていない
  • 販売ページに文字化けがあり、長さの単位や折りたたみ時の寸法などは、購入前に確認が必要
  • 耐荷重は、垂直2.2kg・水平1kgと、重い物には向かない
  • 海外製品で、保証の記載が確認できない

使うときの注意点

  • 磁石が内蔵されています。ペースメーカーなどの医療機器を使っている方は、磁石を体の近くに寄せないよう、主治医に確認してください
  • はじめは、壁や机につかまれる場所で、使い方を一緒に練習する
  • 床の物を拾うときは、足元に物や段差がないことを確かめる
  • ふらつきや、立ち上がりにくさが続くときは、かかりつけ医や担当のリハビリ職、ケアマネジャーに相談する

よくある質問

Q. リーチャーがあれば、ふらつきませんか。

A. リーチャーは、前かがみやつま先立ちを減らす道具です。ふらつきがなくなるわけではありません。壁や机に手をつくなど、姿勢もあわせて考えてください。

Q. どのくらいの長さがよいですか。

A. 床の物を拾うなら、立ったまま床に届く長さです。高い棚なら、さらに長さがいります。迷うときは、担当のリハビリ職に相談してください。

Q. 介護保険で借りたり買ったりできますか。

A. リーチャーは、介護保険の福祉用具には入っていないと考えられますが、制度の扱いは変わることがあります。気になるときは、担当のケアマネジャーに確認してください。

まとめ

  • リーチャーは、長さ・つかむ力・重さ・使う姿勢の4つで選ぶ
  • 紹介したリーチャーは、折りたたみ式でマグネット内蔵。耐荷重は垂直2.2kg・水平1kg
  • ブランドの公式ページは確認できていない。長さの単位などは、購入前に販売ページで確認する
  • 道具だけで安心せず、壁や机に手をついて使う

床の物を拾う動作は、毎日何度もあります。まずは、親が物を拾う様子を、いっしょに見てみてください。どこで体が大きく傾くかが分かると、道具の選び方も決めやすくなります。


参考にした資料

  • 楽天市場「EZPIK マジックハンド PRO」販売ページ(SoraSelections)(2026年10月確認)。ブランドの公式ページは確認できていません
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

→ プロフィールを見る

Instagram・Threads・X・Facebookでも、親の転倒予防のヒントを発信しています。