訪問リハビリと訪問看護のリハビリの違い|どちらも家に来てくれる。家族が知りたい選び方

「訪問看護の人がリハビリをしてくれているんですが、訪問リハビリとは違うんですか?」

家に来てくれるリハビリには、「訪問リハビリ」と「訪問看護からのリハビリ」の2つがあります。どちらも理学療法士などが家に来てくれるので、ご家族から見ると違いが分かりにくいと思います。

この記事では、2つの違いと、どちらが合いそうかを考えるときのポイントをまとめます。

先にお伝えすると、私は「どちらを使うか」よりも、「何を目標にリハビリをするか」のほうがずっと大事だと考えています。

この記事で分かること

  • 訪問リハビリと訪問看護のリハビリの違い
  • それぞれが向いているケース
  • 選ぶ前に確かめたいこと
  • どちらを使っても大切にしたいこと

結論:どちらも家でリハビリをしてくれる。違いは「どこから来るか」と「仕組み」

介護保険の訪問リハビリも、訪問看護ステーションからの理学療法士などの訪問も、自宅でリハビリをしてくれる点は同じです。1回20分以上、週6回までという回数の決まりも共通しています。

違うのは、どの事業所から来るかと、医師や看護師がどう関わるかです。

2つの違いを比べると

訪問リハビリ訪問看護のリハビリ
どこから来る病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院主に訪問看護ステーション
医師との関わりその事業所の医師の診療にもとづいて、リハビリの計画をつくるのが原則主治医の「指示書」にもとづいて行う
看護師の訪問なし(リハビリ職が訪問)初回は原則として看護職員。その後も、おおむね3か月に1回は看護職員が訪問
1回の時間・回数1回20分以上、週6回まで1回20分以上、週6回まで

訪問看護ステーションからの理学療法士などの訪問は、制度の上では「看護業務の一環としてのリハビリ」という位置づけです。そのため、看護職員も定期的に訪問して、体の状態を一緒に見ていく仕組みになっています。

基本の料金は、どちらも大きくは変わりません。事業所の体制や加算によって変わるので、くわしくはケアマネジャーや事業所に確認してください。

訪問看護のリハビリが向いているとき

  • リハビリだけでなく、体調の管理や医療的なケア(床ずれ、管の管理など)も必要
  • 看護師にも定期的に見てほしい
  • 近くに、訪問リハビリをしている病院や施設が少ない
  • かかりつけの医師が、訪問リハビリの事業所とは別のところにいる

訪問リハビリが向いているとき

  • リハビリを中心に、立つ・歩く・家の中の動きなどを練習したい
  • 退院した病院や、通っていた施設のリハビリをそのまま家で続けたい
  • リハビリの計画に、その事業所の医師にも関わってほしい

とはいえ、これはあくまで目安です。実際には、近くにどんな事業所があるか、理学療法士がいるか、空きがあるかで決まることも少なくありません。事業所に直接、依頼が来ることもあります。

選ぶ前に確かめたいこと

事業所に聞いておきたいこと

  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のうち、誰が来てくれるか
  • 1回の時間と、週の回数
  • 担当者が休みのときは、代わりの人が来るか
  • 主治医との連絡はどうするか

どちらを使うかは、ケアプラン(介護サービスの計画)の中で決めます。まずは担当のケアマネジャーに、「家でリハビリを受けたい」「こんなことで困っている」と伝えてみてください。

どちらを使っても、大切にしたいこと

訪問リハビリでも、訪問看護のリハビリでも、理学療法士がしていることの中身は大きく変わりません。体の状態を確かめ、家の中での動き方を一緒に練習し、ご家族に介助の仕方を伝えます。

だからこそ大事なのは、「何のためにリハビリをするのか」という目標を、本人・ご家族・担当者で同じにしておくことです。「トイレまで一人で行けるように」「近所の公園まで歩けるように」など、具体的な目標があると、どちらのサービスでもリハビリの時間が活きてきます。

よくある質問

訪問リハビリと訪問看護のリハビリについて、ご家族からよく聞かれる質問をまとめました。

訪問看護の理学療法士は、看護師と同じことをしてくれますか。

いいえ、理学療法士などが行うのはリハビリが中心です。体調や薬、医療的なケアのことは、看護職員に相談してください。訪問看護では看護職員も定期的に訪問するので、気になることはそのときに伝えると安心です。

途中で、訪問看護から訪問リハビリに切り替えられますか。

切り替えを考えることはできます。ただ、事業所の空きや主治医の指示、ケアプランの見直しが関わるので、まずはケアマネジャーに相談してください。

どちらのほうが効果がありますか。

どちらが上ということはありません。大切なのは、本人の目標に合ったリハビリが受けられているか、訪問のない日の過ごし方まで一緒に考えてもらえているか、です。

理学療法士以外の人が来ることもありますか。

どちらのサービスでも、作業療法士や言語聴覚士が訪問することがあります。手の使い方や家事の動作なら作業療法士、話す・食べることなら言語聴覚士が専門です。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 訪問リハビリも訪問看護のリハビリも、家でリハビリをしてくれる点は同じ
  • 違いはどこから来るかと、医師・看護師の関わり方
  • 医療的なケアも必要なら訪問看護、リハビリ中心なら訪問リハビリが目安
  • 迷ったら、ケアマネジャーに相談。どちらでも「目標」を共有することが大切

どちらのサービスでも、リハビリの担当者は、ご家族と一緒に暮らしを支える仲間です。わからないことは、遠慮なく聞いてみてください。


参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年10月確認)。

  • 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」(リンク)
  • 兵庫県「訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーションの手引き」(令和6年6月)(リンク)
  • 千葉市「訪問看護におけるリハビリテーションとは」(厚生労働省の留意事項通知を引用)(リンク)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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