高齢の親が夜中に足がつる|こむら返りの対処と、寝る前にできる4つの予防

「夜中に足がつって、痛くて目が覚めた」「最近、親がよくこむら返りを起こすと言っている」。足がつるのは、だれにでも起こることですが、高齢になると回数が増える方も少なくありません。

足がつること(こむら返り)の多くは心配のないものですが、夜中に痛みで急に立ち上がって転ぶことや、まれに病気や薬が関係していることもあります。訪問リハビリで、夜間の足のつりの相談を受けてきた理学療法士の立場から、家族に知ってほしいことをまとめます。

この記事で分かること

  • 足がつりやすくなる理由
  • つったときの対処のしかた
  • 寝る前にできる予防
  • 受診したほうがいいサイン

よくある場面

夜中に足がつって、あわてて立ち上がろうとする方は、訪問先ではあまり多くありません。それでも、暗い中で急に立つと、ふらついて転びやすくなるので注意が必要です。

訪問先では、夜間に足がつるという相談を受けることがあります。そのときは、まず水分をとるようお伝えしています。むくみを気にして夜の水分をひかえすぎると、体の水分が足りなくなり、足がつりやすくなることがあるからです。

足がつりやすくなる理由

MSDマニュアル家庭版では、筋肉のけいれん(足がつること)は健康な人にもよく起こり、中高年の方に多くみられるとされています。眠っている間にふくらはぎや足の筋肉がつることも多く、痛みはあっても、通常は重い病気ではないとされています。

同じくMSDマニュアル家庭版では、次のようなことがあると、つりやすくなったり、つったときの症状が強くなったりするとされています。

  • ふくらはぎの筋肉のかたさ:ストレッチ不足、運動不足、足のむくみをくり返すことなど
  • 脱水
  • 血液中のカリウム・マグネシウム・カルシウムなどの不足:一部の利尿薬、お酒の飲みすぎなどが関係することがある
  • 神経の病気や、甲状腺のはたらきが弱くなる病気
  • 一部の薬

つったときの対処

MSDマニュアル家庭版では、つったときはつっている筋肉を伸ばすと、多くの場合やわらぐとされています。ふくらはぎがつったときは、手で足先やつま先を手前(すね側)に引っぱるのが基本です。

  • 座ったまま、ひざを伸ばして、つま先を手前に引く:手が届かなければタオルをつま先にかけて引く
  • あわてて立ち上がらない:痛みがおさまるまで、座ったまま伸ばす
  • やさしくさする:マッサージで一時的に痛みがやわらぐことがある
  • おさまったら、ゆっくり動き出す:夜中は明かりをつけてから

夜中に足がつって、そのままトイレに行こうとすると、足に力が入りにくく、ふらつきやすくなります。落ち着いてから、明かりをつけて動くようにしてください。

寝る前にできる4つの予防

MSDマニュアル家庭版の予防の内容をもとに、高齢の方が家で続けやすい形にまとめました。

足がつる(こむら返り)を防ぐ4つのこと:1 寝る前にふくらはぎを伸ばす、2 水分をこまめにとる、3 寝る前のカフェインを控える、4 よく起こるなら薬も含めて相談

1. 寝る前にふくらはぎを伸ばす

MSDマニュアル家庭版では、運動や寝る前に筋肉を軽くストレッチすることが予防に役立ち、ふくらはぎのストレッチ(壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま前のひざを曲げる)を30秒、4〜5回くり返す方法が紹介されています。

立ってのストレッチがふらついて不安な方は、ベッドやいすに座り、ひざを伸ばして、タオルをつま先にかけて手前に引く方法でもかまいません。痛みが出ない、気持ちよく伸びる程度で行ってください。

2. 水分をこまめにとる

脱水はつりやすくなる原因のひとつです。のどがかわく前に、日中にこまめに水分をとるようにします。夜のトイレが心配な方は、夕方以降に一度にたくさん飲むのではなく、日中に分けてとると安心です。

3. 寝る前のカフェインを控える

MSDマニュアル家庭版では、カフェイン(コーヒーやチョコレートなど)を控えること、禁煙することも予防としてあげられています。夕方以降のコーヒーや濃いお茶を見直してみてください。

4. よく起こるなら、薬も含めて相談

足がつる回数が増えた、毎晩のように起こる、というときは、飲んでいる薬が関係していることもあります。薬を自己判断でやめずに、主治医や薬剤師に相談してください。

こんなときは、早めに受診を

MSDマニュアル家庭版では、次のような場合は注意が必要なサインとされています。

  • 腕やおなか・背中の筋肉もつる
  • 筋肉がぴくぴく動く
  • 力が入りにくい、しびれや感覚がにぶい
  • 吐き気・下痢・大量の汗のあとや、利尿薬を飲み始めてからつる
  • お酒をたくさん飲む

急に力が入らなくなった、感覚がなくなった、症状が重いときは、すぐに受診してください。

歩いているとふくらはぎが痛くなり、休むとおさまる場合は、足の血管の病気(末梢動脈疾患)など、こむら返りとは別の原因のこともあります。腰の病気で足がしびれることもあります。気になるときは医師に相談してください。

よくある質問

高齢の方の足のつり(こむら返り)について、よく調べられている質問をまとめました。

サプリメントや薬で予防できますか。

MSDマニュアル家庭版では、くり返す足のつりの予防に使われる薬やサプリメントの多くは、効果がはっきりしておらず、副作用の心配もあるとされています。まずはストレッチや水分などの生活の工夫から始め、薬については主治医に相談してください。

つったあと、足が痛いのですが大丈夫ですか。

つったあとに、しばらく筋肉痛のような痛みが残ることはよくあります。ただ、痛みが何日も続く、腫れている、赤くなっている、などの場合は受診してください。

寝ているときに足が冷えるとつりやすいですか。

冷えを感じるとつりやすいと話す方は多いです。厚手の靴下やひざかけなどで、足元を冷やしすぎないようにするのもひとつの方法です。ただし、湯たんぽなどの低温やけどには注意してください。

運動をするとつりやすくなりますか。

運動の最中やあとにつることもあります。MSDマニュアル家庭版では、食後すぐの運動を控えること、運動の前に軽くストレッチをすること、運動後に十分に水分をとることがすすめられています。

毎晩つるのですが、何科に行けばいいですか。

まずはかかりつけ医に相談するのがおすすめです。飲んでいる薬や血液の検査などから、原因を調べてもらえます。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 足がつるのは中高年によくあること。多くは心配のないもの
  • つったらつま先を手前に引いて伸ばす。あわてて立ち上がらない
  • 予防は寝る前のふくらはぎのストレッチ、こまめな水分、カフェインを控える
  • 回数が増えたら、薬も含めて主治医に相談
  • 腕や体もつる、力が入らない、感覚がないときは早めに受診

寝る前の数分のストレッチで、夜中のつりが減る方は少なくありません。まずは、親と一緒にふくらはぎを伸ばすところから始めてみてください。


参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年10月確認)。足がつる原因はさまざまです。気になる症状があるときは、医師に相談してください。

理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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