骨粗しょう症とは|高齢の親の骨折を防ぐために。背中が丸い・身長が縮んだは要注意

「最近、母の背中が丸くなってきた」「身長が縮んだ気がする」。それは、年のせいだけでなく、骨粗しょう症のサインかもしれません。

骨粗しょう症は、ふだんは痛みがないため、骨折して初めて気づくことが多い病気です。訪問リハビリで、骨折のあとのリハビリに関わることの多い理学療法士の立場から、家族が知っておきたいことをまとめます。

この記事で分かること

  • 骨粗しょう症とは、どんな病気か
  • 骨折しやすい3つの場所
  • 家族が気づきたいサインと、検査
  • 骨を守るための食事・運動・転倒予防

よくある場面

訪問先でお会いする高齢の方は、すでに骨粗しょう症と分かっている方が多くいます。骨折をきっかけに初めて分かった、という話は、訪問先ではあまり聞きません。

ただ、一般には、転んで手をついて手首を骨折したことがきっかけで、初めて骨粗しょう症と分かることもあります。そのあとに、背骨の圧迫骨折や、太ももの付け根の骨折が続くこともあります。最初の骨折は、次の骨折を防ぐチャンスでもあります。

骨粗しょう症とは

日本整形外科学会の解説では、骨粗しょう症は「骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気」とされ、日本には約1000万人以上の患者がいるとされています。

骨は、古い骨を壊す働きと、新しい骨を作る働きのバランスで保たれています。このバランスが崩れると、骨がもろくなります。とくに閉経後の女性に多く、女性ホルモンの減少と老化が関係しているとされています。

骨折しやすい3か所

日本整形外科学会の解説をもとに、骨折しやすい場所を図にまとめます。

骨粗しょう症で骨折しやすい3か所:1 背骨(圧迫骨折、背中が丸く身長が縮む)、2 手首(転んで手をついたとき)、3 太ももの付け根(歩けなくなる原因になりやすい)

背骨の骨折(圧迫骨折)は、はっきり転んでいなくても起きることがあります。圧迫骨折については、こちらで詳しく書いています。

家族が気づきたいサイン

  • 背中が丸くなってきた
  • 身長が縮んだ(若いころより数センチ低い)
  • 背中や腰の痛みが続いている
  • ちょっとした転倒で骨折したことがある
  • 食が細く、体重が減ってきた

日本整形外科学会の解説でも、骨粗しょう症では、背中や腰の痛みのあとに背中が丸くなったり、身長が縮んだりするとされています。

検査を受けるには

骨粗しょう症は、レントゲンや骨密度の検査で調べます。気になる場合は、整形外科や、かかりつけの医師に相談してください。市区町村によっては、骨粗しょう症の検診を行っているところもあります。

治療

治療では、骨を強くする飲み薬や注射が使われます。骨折している場合は、その骨折に合わせた治療も必要です。薬は長く続けることが大切なので、自己判断でやめないようにしてください。

骨を守るために、家でできること

ここからは、日本整形外科学会などの解説をもとに、訪問リハビリの現場で家族に伝えていることです。

1. 食事:骨の材料をとる

日本整形外科学会の解説では、カルシウム、ビタミンD・K、リン、マグネシウム、そして適量のたんぱく質をとることがすすめられています。

  • カルシウム:牛乳・乳製品、小魚、大豆製品、青菜など
  • ビタミンD:魚、きのこ類など
  • ビタミンK:納豆、緑の野菜など
  • たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品など

高齢になると食が細くなり、たんぱく質が不足しがちです。骨だけでなく筋肉を保つためにも、毎食少しずつとれるように工夫してください。持病があって食事の制限がある場合は、医師に相談してください。

2. 日光に当たる

ビタミンDは、日光に当たることで体の中でも作られます。天気のよい日は、散歩や庭に出るなど、外で過ごす時間を作るのもおすすめです。

3. 運動:骨に刺激を

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、骨粗しょう症の予防には、ウォーキングのように重力がかかる運動や、筋力トレーニングが効果的とされています。一方で、骨折したことがある場合や腰痛などがある場合は、整形外科医に相談してから運動するようにとされています。

高齢の方には、まずは毎日の散歩や、いすからの立ち上がりをゆっくり行うなど、無理のない運動から始めるのがおすすめです。

4. いちばん大切なのは、転ばないこと

骨が弱くなっていても、転ばなければ多くの骨折は防げます。骨粗しょう症の方の場合、転倒予防は治療と同じくらい大切です。家の中の転びやすい場所や、夜のトイレの見直しは、こちらで書いています。

5. 禁煙と、お酒はほどほどに

日本整形外科学会の解説では、禁煙と、節度あるアルコールもすすめられています。

よくある質問

骨粗しょう症について、よく調べられている質問をまとめました。

骨粗しょう症は痛みがありますか。

骨粗しょう症そのものは、ふだんは痛みがありません。骨折したときに痛みが出るため、骨折して初めて気づくことが多い病気です。

男性もなりますか。

閉経後の女性に多い病気ですが、男性もなります。高齢の父親でも、背中が丸くなった、身長が縮んだなどのサインがあれば、検査を考えてください。

何科を受診すればいいですか。

整形外科を受診するか、かかりつけの医師に相談してください。骨密度の検査で調べることができます。

骨粗しょう症と言われたら、運動しないほうがいいですか。

運動は骨や筋肉を保つために大切です。ただし、骨折したことがある場合や痛みがある場合は、どんな運動がよいか医師に相談してから始めてください。

カルシウムのサプリメントを飲めば大丈夫ですか。

食事からさまざまな栄養をとることが基本です。サプリメントや薬を使う場合は、医師や薬剤師に相談してください。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 骨粗しょう症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気。ふだんは痛みがない
  • 骨折しやすいのは背骨・手首・太ももの付け根
  • 背中が丸い、身長が縮んだはサイン。気になれば骨密度の検査を
  • カルシウム・ビタミンD・たんぱく質をとり、日光と運動を
  • いちばん大切なのは転ばないこと

骨粗しょう症は、骨折する前に気づいて対策すれば、防げる骨折がたくさんあります。親の背中や身長の変化に、一度目を向けてみてください。

あわせて読みたい記事です。


参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年9月確認)。症状や治療は人によって異なるため、気になる症状がある場合は医師に相談してください。

  • 日本整形外科学会「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」(リンク)
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を」(リンク)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

→ プロフィールを見る

Instagram・Threads・X・Facebookでも、親の転倒予防のヒントを発信しています。