理学療法士の転職|後悔しない進め方と、失敗しない4つのポイント

「今の職場のままでいいのかな」「給料も上がらないし、ほかの分野も経験してみたい」。理学療法士として何年か働くと、転職を考える人は少なくありません。

理学療法士は求人が多く、転職しやすい職種です。そのぶん、勢いで決めてしまい「思っていたのと違った」となることもあります。訪問リハビリで働く理学療法士の立場から、後悔しないための進め方をまとめます。

この記事で分かること

  • データで見る理学療法士の求人の状況
  • 転職を考えたら、最初にすること
  • 転職で失敗しない4つのポイント
  • 退職までの流れと注意点

理学療法士の求人は多い

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、理学療法士の有効求人倍率は4.67倍(令和6年度)と示されています。求職者1人に対して4件以上の求人がある計算で、仕事を選びやすい職種といえます。

  • 有効求人倍率:4.67倍(令和6年度)
  • ハローワークの求人賃金(月額):27.6万円(令和6年度)
  • 年収:約443.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査)
  • 平均年齢:36.2歳

求人が多い一方で、病院、クリニック、介護老人保健施設、通所リハ、訪問看護ステーション、訪問リハ、企業など、働く場所によって仕事の内容も給料のしくみも大きく違います。選びやすいからこそ、比べ方が大切になります。

転職を考えたら、最初にすること

現場でよく見るのは、「今の職場がつらい」という気持ちだけで動き出し、次の職場で同じ悩みをくり返すケースです。まずは、転職でかなえたいことを紙に書き出してみてください。

  • 給料:いくら上げたいか。月給か、年収か
  • 分野:急性期、回復期、生活期、訪問、スポーツなど
  • 働き方:休日、残業、通勤時間、オンコールの有無
  • 学び:教育体制、症例検討、認定資格の取りやすさ
  • 人間関係:今の悩みが「人」なのか「しくみ」なのか

書き出したら、ゆずれないことを1〜2個にしぼります。全部を満たす職場はなかなかないので、優先順位を決めておくと、求人を比べるときに迷いにくくなります。

転職で失敗しない4つのポイント

現場で同じ理学療法士と話していて、大切だと感じていることを4つにまとめました。

理学療法士の転職で失敗しない4つのポイント:1 転職の理由を言葉にする、2 給料は内訳で比べる、3 見学で現場を見る、4 退職の手順を確認する

1. 転職の理由を言葉にする

「なぜ転職したいのか」「次の職場で何をしたいのか」を言葉にしておくと、面接で伝えやすくなるだけでなく、自分に合う職場の条件もはっきりします。今の職場への不満だけでなく、やりたいことを中心に考えるのがおすすめです。

2. 給料は内訳で比べる

求人票の月給は、基本給と手当の合計で書かれていることが多いです。賞与や退職金は基本給をもとに計算されることが多いので、月給が同じでも年収が違うことがあります。訪問の仕事では、件数手当のしくみも確認してください。

3. 見学で現場を見る

できれば、見学や面接の前後に、実際に働いている人の様子を見せてもらいましょう。リハビリ室の雰囲気、1日の担当件数、記録の方法、先輩とのやりとりなど、求人票では分からないことが見えてきます。

4. 退職の手順を確認する

退職を伝える時期は、まず今の職場の就業規則を確認します。民法では、期間の定めのない雇用は、退職を申し入れてから2週間で終わるとされていますが、就業規則で「1か月前まで」などと決めている職場も多いです。担当している患者さんや利用者さんの引き継ぎを考えると、1〜2か月前に伝えるのが現実的です。

転職のタイミングで考えたいこと

  • 賞与の支給日:支給日に在籍していることが条件の職場が多い
  • 年度の区切り:4月入職は求人が多く、新人と同時に教育を受けられることも
  • 次の職場が決まってから退職を伝えると、収入が途切れにくい
  • 有給休暇の残り:引き継ぎと合わせて計画的に使う

転職の探し方

  • ハローワーク:地域の求人が多く、相談もできる
  • 求人サイト:自分のペースで探せる。条件で絞り込みやすい
  • 転職エージェント(紹介会社):条件の交渉や日程調整を代わりにしてくれる。複数の求人を比べて紹介してもらえる
  • 知人や学校の先輩の紹介:職場の雰囲気を事前に聞ける

どの方法にも良いところと注意点があります。紹介会社を使う場合も、最後は自分の目で職場を見て決めることを大切にしてください。

よくある質問

理学療法士の転職について、よく調べられている質問をまとめました。

何年目で転職するのがいいですか。

決まった正解はありませんが、基本的な評価や治療、リスク管理をひと通り経験してからのほうが、次の職場の選択肢は広がりやすいです。ただ、心や体の調子をくずしているときは、年数にこだわらず早めに環境を変えることも大切です。

転職回数が多いと不利になりますか。

短い期間での転職が続くと、面接で理由を聞かれることはあります。それぞれの転職で何を学び、次に何をしたいのかを説明できれば、回数だけで不利になるとは限りません。

病院から訪問に転職するときに気をつけることはありますか。

一人で訪問する場面が多いので、同行訪問の期間や、困ったときに相談できる体制があるかを確認してください。給料のしくみも病院とは違うことが多いので、件数手当などの条件を確認しておくと安心です。

理学療法士の資格を生かして、一般企業に転職できますか。

福祉用具や医療機器のメーカー、介護関連の企業、健康サービスの会社などで、理学療法士の知識を生かせる仕事があります。臨床とは仕事の内容が大きく変わるので、何を生かしたいかを整理してから探すのがおすすめです。

転職したいことを、今の職場にどう伝えればいいですか。

まずは直属の上司に、直接伝えるのが基本です。不満を並べるより、「新しい分野に挑戦したい」など前向きな理由を伝え、引き継ぎに協力する姿勢を見せると、円満に退職しやすくなります。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 理学療法士の有効求人倍率は4.67倍。仕事を選びやすい職種
  • まずはかなえたいことを書き出し、ゆずれないことを1〜2個にしぼる
  • 給料は基本給・手当・賞与の内訳で比べる
  • 見学で現場を見てから決める
  • 退職は就業規則を確認し、1〜2か月前に伝えると引き継ぎがしやすい

転職は、働き方を見直すよい機会です。まずは、今の職場で「続けたいこと」と「変えたいこと」を書き出してみてください。

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参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年10月確認)。退職の手続きや条件は、職場の就業規則や雇用契約によって異なります。

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「理学療法士」(リンク)
  • e-Gov法令検索「民法」(第627条)(リンク)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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