足元灯の選び方|高齢の親の夜中の転倒を防ぐ、置く場所と4つのポイント

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「夜中にトイレに起きたとき、暗い廊下でふらついた」「電気のスイッチを手探りしているうちに、つまずきそうになった」。高齢の親の夜の動きが心配なとき、手軽にできる対策のひとつが足元灯(フットライト)です。

この記事では、訪問リハビリの理学療法士の目線で、足元灯を置く場所と、選ぶときの4つのポイントをまとめます。

この記事で分かること

  • 夜に転びやすい理由
  • 足元灯を置きたい場所
  • 選ぶときの4つのポイント
  • 電池式とコンセント型の例(向いている人・向かない人)
  • 置いたあとに確かめたいこと

夜に転びやすい理由

東京消防庁のデータでは、高齢の方が日常生活の事故で救急搬送された原因のうち、「ころぶ」「落ちる」が合わせて約9割を占めています(消費者庁の消費者白書より)。

夜中のトイレは、転びやすい条件がそろっています。

  • 寝起きで、体がまだしっかり動かない
  • 暗くて、段差や床の物が見えにくい
  • トイレに間に合わせようと急いでしまう

くわしくは夜中のトイレで転ぶ理由で書いています。訪問リハビリで伺うお宅でも、昼間は問題なく歩ける方が「夜だけふらつく」という話をよく聞きます。暗さは、昼間には気づきにくい転倒の原因です。

足元灯を置きたい場所

寝室からトイレまでの道のりを、実際に親と一緒に歩いてみて、暗くなる場所を確かめましょう。とくに置きたいのは次の場所です。

  • ベッドや布団の足元(起き上がって最初に足をつく場所)
  • 寝室の出口
  • 廊下の曲がり角
  • 段差や敷居のあるところ
  • トイレの入り口

消費者庁の白書では、家の中でけがが多い場所として階段も挙げられています。階段を使う家では、上り口と下り口の足元も明るくしておきましょう。階段の上り下りは、高齢の親の階段の上り下りも参考にしてください。

足元灯選びの4つのポイント

足元灯選びの4つのポイント

1. 置く場所

1つだけ置くより、ベッドの足元からトイレまでを「点でつなぐ」ように、いくつか置くのがおすすめです。暗い場所が途中にあると、そこで足が止まったり、つまずいたりしやすくなります。

2. 明るさ

足元の床や段差がはっきり見える明るさが必要です。一方で、まぶしすぎると目がくらんだり、眠りをさまたげたりします。光が床を照らすタイプで、明るさを調整できるものが使いやすいです。睡眠のことは、高齢の親の睡眠でも書いています。

3. 点き方

人が近づくと自動で点く「人感センサー」付きは、スイッチを手探りしなくて済むので便利です。暗くなると点く「明暗センサー」付きは、夜の間ずっと点いているので、センサーの反応を待たずに歩けます。ベッドの足元には、起き上がったときにすぐ点くものを選びましょう。

4. 電源

コンセント式は電池交換がいりませんが、コンセントの位置に置き場所が限られます。電池式や充電式は好きな場所に置けますが、電池切れに注意が必要です。延長コードを使う場合は、コードが通り道を横切らないようにしてください。消費者庁の白書でも、通り道に電源コードが来ないように置くことが挙げられています。

4つのポイントで見た、足元灯の例

上のポイントに照らして、電源のタイプが違う2つの例を見てみます。どちらが良い・悪いではなく、家の動線と、親の歩く速さに合うかで選んでください。

乾電池式の例|アイリスオーヤマ BSLシリーズ

アイリスオーヤマの公式情報では、乾電池式のBSLシリーズは次のとおりです(機種によって少し異なります。購入前に、選ぶ機種の仕様を商品ページで確認してください)。

  • 明るさ:約18〜20lm。AUTO時はHi/Lowの2段階
  • 人感センサー:有効距離 約2.5m、水平 約100°、垂直 約40°
  • 点灯保持時間(AUTO):約10秒
  • 電池:単3形 3〜4本(別売り)。1日10回・各10秒点灯した場合の電池寿命の目安は約9〜24ヵ月
  • 設置:置き型/壁付け型(機種により異なる)。工事は不要

向いている人:コンセントがない場所に置きたい。工事なしで始めたい。

向かない人:トイレまでの往復に時間がかかる方(点灯保持が約10秒と短いため)。電池交換の手間を増やしたくない。明るさを細かく選びたい。

気になる点:点灯保持が約10秒なので、ゆっくり歩く方は途中で消える場面が考えられます。電池が切れても気づきにくいので、ときどき点灯を確かめてください。約20lmは控えめな明るさで、廊下全体を照らす用途には向きません。

コンセント直挿し型の例|atRise

販売ページのタイトルには、電池不要のコンセント直挿し、調光、タイマー、自動点灯・消灯と書かれています。明るさの数値、センサーの範囲、点灯時間は、購入前に商品ページで確認してください。

向いている人:寝室や廊下の壁にコンセントがあり、電池交換の手間を減らしたい。

向かない人:コンセントが高い位置にしかない。照らしたい場所がコンセントから遠い。

気になる点:コンセントを1口使います。置き場所はコンセントの位置次第です。

どちらを選ぶ場合も、置いたあとに、夜の暗い時間帯に親と一緒に歩いて、明るさと点灯の長さを確かめてください。足元灯だけで転倒を防げるわけではないので、通り道の片づけや履き物の見直しとあわせて考えましょう。

置いたあとに確かめたいこと

  • 夜、実際に部屋の電気を消して、寝室からトイレまで歩いてみる
  • 親の目の高さ・足の位置で、まぶしすぎないか、暗い場所が残っていないかを見る
  • 電池式は、電池が切れていないかをときどき確かめる
  • 足元灯につまずかないよう、出っ張りの少ないものを選ぶ、通り道から少し外して置く

足元灯とあわせて見直したいこと

  • 通り道の床に、物やコード、めくれやすいマットがないか
  • 夜にはく、かかとのある室内履きを用意しているか
  • トイレまでの廊下や、トイレの中に手すりがあるか(トイレの手すりの位置)

よくある質問

Q. 寝室の電気をつけたまま寝るのはだめですか?

A. 部屋全体が明るいと、眠りが浅くなることがあります。足元だけを照らす足元灯の方がおすすめです。

Q. 介護保険で借りられますか?

A. 足元灯は、介護保険で借りたり買ったりできる福祉用具には入っていません。家族で用意するものです。

Q. 賃貸でも付けられますか?

A. コンセントに差すタイプや、電池式で置くだけのタイプなら、工事は不要です。

Q. 親が「まぶしい」と言って外してしまいます。

A. 光が床だけを照らすタイプにする、明るさを下げる、ベッドから光が直接見えない位置に置くなどを試してみてください。

まとめ

  • 夜中のトイレは、暗さ・寝起き・急ぐことが重なり、転びやすい
  • 寝室からトイレまで実際に歩き、暗い場所に足元灯を置く
  • 置く場所、明るさ、点き方、電源の4つを見て選ぶ
  • 置いたら、夜に実際に歩いて確かめる

足元灯は、工事なしで今日からできる転倒予防です。次に親の家に行ったとき、夜の通り道を一緒に歩いてみてください。


参考にした資料

  • 消費者庁「令和5年版消費者白書」コラム(高齢者の家庭内事故)(2026年10月確認)
  • アイリスオーヤマ「乾電池式LEDセンサーライト」製品情報(BSLシリーズ)(2026年10月確認)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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