※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。
「一人で暮らす親が、夜中に転んでいないか心配」「電話に出ないと、何かあったのかと不安になる」。離れて暮らしていると、こうした心配が続きますよね。
そんなとき、選択肢のひとつになるのが見守りカメラです。スマホから家の様子を確かめたり、声をかけたりできます。ただ、置く場所や設定を考えずに付けると、「肝心なところが映っていない」「親が嫌がって電源を抜いてしまう」ということも起こります。
この記事では、訪問リハビリの理学療法士の目線で、見守りカメラを選ぶときの4つのポイントを、TP-Linkの「Tapo C200」を例にまとめます。
この記事で分かること
- 見守りカメラで、家族が確かめられること・確かめられないこと
- 理学療法士が見る、カメラ選びの4つのポイント
- Tapo C200 が向いている人・向かない人
- 付ける前に、親と話しておきたいこと
高齢者の転倒は、家の中で多く起きている
東京消防庁のまとめでは、令和2年から令和6年の5年間、高齢者の日常生活の事故で救急搬送された人のうち、「ころぶ」事故が8割以上を占めています(「その他」「不明」を除く)。令和6年に「ころぶ」事故で運ばれた73,500人のうち、42,180人は住宅などの居住場所で起きていました。
訪問リハビリで伺うお宅でも、転んだのは「夜中にトイレへ向かうとき」「寝室から立ち上がるとき」という話をよく聞きます。一人暮らしの方だと、転んだあと起き上がれずに、朝まで床にいたというケースもあります。見守りカメラは、こうした「誰も気づけない時間」を短くするための道具です。
Tapo C200 の基本情報
メーカー(TP-Link)の公式サイトに載っている主な仕様です。
| 画質 | フルHD(1920×1080) |
|---|---|
| 首振り | 水平360°・垂直114°(スマホから操作) |
| 夜間撮影 | 赤外線で最長12m |
| 会話 | マイクとスピーカー内蔵。スマホから話しかけられる |
| 検知と通知 | 動きの検知、人の検知でスマホに通知 |
| プライバシー | アプリから録画を止める「プライバシーモード」、映さない範囲の設定 |
| 録画 | microSDカード(最大512GB・別売り)。クラウド保存「Tapo Care」は有料(1か月の無料体験あり) |
| 電源・通信 | コンセント(ACアダプター)。Wi-Fiは2.4GHz |
使うには、親の家にWi-Fiが必要です。Wi-Fiがない家では、先に回線の準備から考える必要があります。
理学療法士が見る、4つのポイント
見守りカメラは、性能の数字よりも「どこに置いて、どう使うか」で役に立つかどうかが決まります。転倒の予防と、親の暮らしやすさの両方から、次の4つを確かめてください。

商品の詳細や価格は、こちらから確認できます。
1. 転びやすい場所が映るか
カメラは「親がよくいる場所」より、「転びやすい場所」が映るように置くのが大切です。現場で転倒の話を聞くと、寝室からトイレまでの通り道、ベッドやいすから立ち上がる場所が多くを占めます。
Tapo C200 は、スマホから向きを変えられる首振り型です。1台で居間と廊下の両方を見たいときに向いています。ただし、トイレや浴室の中は、本人の尊厳のためにも映さないでください。トイレの前の廊下までにとどめるのがおすすめです。
2. 夜も見えるか
高齢の方の転倒は、夜中のトイレで起きやすくなります。暗いうえに、寝起きで体がまだ動きにくく、急いでいることが多いためです。
Tapo C200 は赤外線で、暗い部屋でも最長12mまで映せるとされています。夜に通り道が映るかは、設置した日の夜に一度スマホで確かめておきましょう。夜中のトイレの転び方については、夜中のトイレで転ぶ理由でくわしく書いています。
3. 声をかけられるか
転んだあと、本人があわてて自分で起き上がろうとして、かえってけがを重くすることがあります。カメラにマイクとスピーカーがあれば、「動かないで、今そっちに行くね」「近所の〇〇さんに連絡するね」と、その場で声をかけられます。
声が届くだけで、本人の不安はずいぶん小さくなります。ただ、耳が遠い方には聞こえにくいこともあるので、設置したら一度、実際に話しかけて聞こえ方を確かめてください。
4. 親が納得できるか
見守りカメラでいちばん多い失敗は、「見張られているようで嫌だ」と、親が電源を抜いてしまうことです。訪問先でも、カメラの向きが壁に変えられていたお宅がありました。
付ける前に、「何のために置くのか」「どこを映すのか」「いつ見るのか」を親と一緒に決めておきましょう。Tapo C200 には、アプリから録画を止めるプライバシーモードや、映さない範囲を決める設定があります。「来客中は止める」「寝室は映さない」など、親が自分で決められる部分を残すと、続けやすくなります。
向いている人・向かない人

向いている人
- 親の家にWi-Fiがあり、コンセントの近くに置ける
- 1台で、居間と廊下など広い範囲を見たい
- 親がカメラを置くことに納得している
向かない人
- 親の家にWi-Fiがない
- 転んだことを、自動で家族に知らせてほしい(公式の仕様には、転倒を見分けて知らせる機能は書かれていません)
- 親がカメラを強く嫌がっている
カメラに抵抗がある場合は、ドアの開け閉めや電気の使い方で様子を知らせるセンサー型の見守りや、自治体の見守りサービスも選択肢になります。どんなサービスがあるかは、地域の地域包括支援センターで相談できます。
使うときの注意点と、介護保険の扱い
- カメラは転倒を防ぐ道具ではない:気づくのを早める道具です。手すりや照明、通り道の片付けなど、転ばない工夫とあわせて使いましょう
- ずっと画面を見続けない:家族が疲れてしまいます。「朝と夜に1回見る」など、見るタイミングを決めておくと続けやすくなります
- コードにつまずかない置き方を:電源コードが床を横切ると、それ自体が転倒の原因になります。壁沿いに固定してください
- 介護保険は使えない:見守りカメラは、介護保険で借りたり買ったりできる福祉用具には入っていません。家族が自分で用意するものです
関連する記事も、あわせて読んでみてください。
よくある質問
Q. 親がスマホを持っていなくても使えますか?
A. 使えます。スマホで操作するのは見守る家族の側です。親の家に必要なのは、Wi-Fiとコンセントです。
Q. 録画は必要ですか?
A. 必ずではありません。今の様子を見るだけなら録画なしでも使えます。「いつ、どこで転んだか」をあとで確かめたい場合は、microSDカード(別売り)を入れておくと安心です。
Q. 何台あればいいですか?
A. まずは1台で、寝室からトイレまでの通り道が見える場所に置くのがおすすめです。足りないと感じたら、居間などに増やしましょう。
Q. カメラがあれば、一人暮らしでも安心ですか?
A. 気づくまでの時間は短くできますが、駆けつけるまでの時間は変わりません。近所の方や、ケアマネジャー・地域包括支援センターなど、すぐに動ける人とのつながりもあわせて作っておきましょう。
まとめ
- 高齢者の転倒は、家の中で多く起きている
- カメラは「転びやすい場所」が映るように置く。トイレや浴室の中は映さない
- 夜も見えるか、声をかけられるかを、設置した日に確かめる
- いちばん大切なのは、親が納得していること
- カメラは転倒を防ぐ道具ではない。転ばない工夫とセットで使う
見守りカメラは、家族の安心のためだけでなく、親が「これからも自分の家で暮らしたい」という気持ちを支える道具にもなります。どう使うかを、ぜひ親と一緒に決めてみてください。
参考にした資料
- 東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」(2026年10月確認)
- TP-Link「Tapo C200 パンチルト ネットワークWi-Fiカメラ」製品ページ(2026年10月確認)
- 厚生労働省「介護保険における福祉用具」(2026年10月確認)




