「親の介護で、少し休みたい」「冠婚葬祭で家を空けないといけない」。そんなときに使えるのがショートステイです。数日から、施設に泊まって介護を受けられるサービスです。
ただ、「親がかわいそう」「帰ってきたら弱っていたらどうしよう」と、使うのをためらう家族も少なくありません。訪問リハビリの現場で、ショートステイの前後の様子を見ることの多い理学療法士の立場から、家族が知っておきたいことをまとめます。
この記事で分かること
- ショートステイの2つの種類と、使える人
- 費用と、利用日数の決まり
- 申し込みの流れ
- 帰ってきてから弱らないために、家族ができること
よくある場面
訪問先でも、介護をしているご家族が限界まで頑張ってしまい、体調をくずしてから慌ててショートステイを探すケースがあります。急に探すと空きがなく、困ることがあります。
ショートステイは、介護する家族が休むためのサービスでもあります。余裕のあるうちに、一度使ってみておくと安心です。
ショートステイとは
ショートステイは、介護保険のサービスのひとつで、施設に短い期間泊まって、食事や入浴などの介護や、機能訓練を受けられるものです。江東区の案内では、要介護1〜5の方と、要支援1・2の方(介護予防のショートステイ)が使えるとされています。
本人のためだけでなく、介護している家族が休むため(レスパイト)に使うこともできます。家族が休むことは、介護を長く続けるためにとても大切です。
ショートステイは2種類
江東区の案内をもとに、2つの種類を図にまとめます。

多くの方が使うのは、特別養護老人ホームなどで受ける短期入所生活介護です。持病があって医療的なケアが必要な場合は、介護老人保健施設などで受ける短期入所療養介護が合うことがあります。
費用の目安
費用は、介護保険のサービス費の自己負担(1〜3割)に、滞在費や食費などが加わります。江東区の案内では、1割負担の場合の1日あたりの基本の費用の例として、短期入所生活介護(要介護1)で670円、短期入所療養介護(要介護1)で905円が示されています。
ただし、滞在費や食費などは施設ごとに違います。部屋のタイプ(個室か相部屋か)でも変わるので、申し込みの前に見積もりを確認してください。所得によっては、食費や滞在費が軽くなる制度もあるので、ケアマネジャーに聞いてみてください。
利用日数の決まり
- 連続して使えるのは30日まで。宇都宮市の案内では、31日目は全額自己負担になるとされています
- 使える日数は、原則として認定の有効期間のおおむね半分までが目安
- 1か月に使える介護保険サービスの上限(区分支給限度額)の中で、ほかのサービスと合わせて使う
申し込みの流れ
ショートステイは、ケアマネジャーに相談して申し込むのが一般的です。
- ケアマネジャーに、使いたい時期と理由を伝える
- ケアマネジャーが施設の空きを確認し、ケアプランに入れる
- 施設と契約し、事前に面談や見学をする
- 当日、送迎や持ち物を確認して利用する
人気のある施設は、早めに予約が埋まることがあります。使いたい時期が決まっていれば、できるだけ早く相談してください。ケアマネジャーがまだいない場合は、こちらを参考にしてください。
帰ってきてから弱らないために
ここからは、訪問リハビリの現場で見ていて、家族にお願いしていることです。ショートステイの間は、家よりも動く機会が少なくなりがちです。家では自分で歩いてトイレに行っていた人が、施設では車いすで移動していた、ということもあります。
1. ふだんの動き方を施設に伝える
「家では歩行器で歩いている」「立ち上がりは手すりにつかまればひとりでできる」など、家でできていることを施設に具体的に伝えてください。できることを続けてもらうのが、弱らないためのいちばんの方法です。訪問リハビリを使っている場合は、担当の理学療法士にメモを書いてもらうのもおすすめです。
2. はじめは短い日数から
初めてのショートステイは、1〜2泊から試すと、本人も慣れやすく、家族も様子をつかみやすくなります。
3. 帰ってきた日と、その数日は注意
環境が変わったあとは、夜のトイレや立ち上がりでふらつくことがあります。帰ってきた日は、足元の明かりや通り道を確認し、様子を見てあげてください。
4. 本人の気持ちにも配慮する
「家族に置いていかれる」と感じる方もいます。「少し休ませてね」「○日に迎えに行くね」と、理由と帰る日をはっきり伝えると、安心しやすくなります。
ほかのサービスとの組み合わせ
日中だけ通うデイサービスやデイケアと、ショートステイを組み合わせて使う方も多いです。デイサービスとデイケアの違いは、こちらで書いています。
よくある質問
ショートステイについて、よく調べられている質問をまとめました。
要支援でもショートステイは使えますか。
使えます。要支援1・2の方は、介護予防のショートステイが対象です。地域包括支援センターに相談してください。
何日前までに申し込めばいいですか。
施設によって違います。人気のある施設は早く埋まることがあるので、使いたい時期が決まったら、できるだけ早くケアマネジャーに相談してください。
30日を超えて使うことはできますか。
連続して30日を超えた分は、介護保険が使えず全額自己負担になります。長く使う必要がある場合は、施設への入所なども含めてケアマネジャーに相談してください。
家族が休むために使ってもいいのですか。
使って大丈夫です。介護している家族の休息も、ショートステイの大切な目的のひとつです。
ショートステイから帰ってきたら、歩きにくくなっていました。
環境の変化や、動く量が減ったことが原因のこともあります。数日で戻ることも多いですが、ふらつきが続く、転んだなどの場合は、ケアマネジャーや主治医、リハビリの担当者に相談してください。
まとめ
最後に、この記事のポイントです。
- ショートステイは、施設に短い期間泊まって介護を受けられるサービス
- 福祉型(短期入所生活介護)と医療型(短期入所療養介護)の2種類
- 連続30日まで。費用は自己負担分に滞在費・食費などが加わる
- 申し込みはケアマネジャーに。人気の施設は早めに
- 家でできている動きを施設に伝え、帰った日は夜のトイレに注意
家族が休むことは、介護を続けるための大切な準備です。「まだ大丈夫」と思えるうちに、一度試しておくと、いざというときに安心です。
参考にした資料
この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年9月確認)。費用や手続きは市区町村や施設によって異なるため、お住まいの市区町村の案内もあわせて確認してください。




