高齢の親の足のむくみ|すぐ受診したいサインと、家でできる4つのこと

「夕方になると、親の足がパンパンにむくんでいる」「靴下のあとがくっきり残っている」「靴がきつくなったと言う」。高齢の親の足のむくみが気になったことはありませんか。

足のむくみは、高齢の方にとてもよくみられます。多くは、座っている時間が長いことや、体を動かす量が少ないことによる軽いものですが、なかにはすぐに受診が必要な病気のサインが隠れていることもあります。訪問リハビリで、毎回むくみの様子を見ている理学療法士の立場から、家族が見分けたいポイントと、家でできることをまとめます。

この記事で分かること

  • 高齢の方の足がむくみやすい理由
  • すぐに受診したいむくみのサイン
  • 家でできる4つのこと
  • むくみと一緒に見直したい生活

よくある場面

訪問先では、一日中いすやこたつに座ったまま、ほとんど歩かない方の足が、夕方になるとむくんでいることが多いです。ふくらはぎの筋肉があまり動かないため、足に水分がたまりやすくなります。

一方で、ご家族が「いつものむくみ」と思っていたら、片方の足だけが急に太くなっていた、息切れも出てきた、という方もいました。こうしたときは、様子を見ずに早めに受診が必要です。

高齢の方の足がむくみやすい理由

国立長寿医療研究センターでは、足のむくみの原因を「全身の病気によるもの」「足の一部の病気によるもの」「はっきりした原因がないもの」の3つに分けて説明しています。

  • 全身の病気によるもの:心不全、腎不全、低栄養、薬の副作用など。多くは両足がむくむ
  • 足の一部の病気によるもの:下肢静脈瘤、深部静脈血栓症(足の静脈に血のかたまりができる病気)、リンパ浮腫、蜂窩織炎(皮膚の感染症)など。片方の足だけのことが多い
  • はっきりした原因がないもの:長く座っている、運動が少ないことによる軽いむくみ

同センターでは、検査をしても3人に2人は明らかな原因が見つからなかったとされています。高齢の方では、長く座っていることや運動不足による軽いむくみがよくみられます。

MSDマニュアル家庭版でも、中高年や高齢の方の多くは、一日の終わりに足に血液がたまることで、正常でも軽いむくみが出ることがあり、これは典型的には朝には消えているとされています。

すぐに受診したいむくみのサイン

こんなときは、早めに受診を

  • 急にむくんだ
  • 片方の足だけがむくんでいる
  • 強い痛みや、押すと痛む
  • 息切れがある
  • せきと一緒に血が出る
  • むくみが続いている

MSDマニュアル家庭版では、急なむくみ、片方の足だけのむくみ、強い痛み、息切れ、せきと一緒に血が出るといった症状はすぐに受診が必要なサインとされています。また、心臓・肺・腎臓の病気がある方も、早めの受診がすすめられています。

息苦しさや胸の痛みがあるときは、迷わず救急車を呼んでください。

国立長寿医療研究センターでも、むくみが続く場合や急に腫れた場合、痛みや息切れをともなう場合は、治療が必要な病気が隠れていることがあるとして受診をすすめています。どの科にかかればよいか迷うときは、まずかかりつけ医に相談してください。

家でできる4つのこと

病気が原因ではない軽いむくみには、家での工夫が役立ちます。現場で家族にお伝えしていることを4つにまとめました。

足のむくみに家でできる4つのこと:1 ふくらはぎを動かす(足首の曲げ伸ばし)、2 足を高くして休む、3 長く座りっぱなしにしない、4 弾性ストッキングは医師に相談

1. ふくらはぎを動かす

ふくらはぎの筋肉は、縮んだりゆるんだりすることで、足の血液を心臓へ押し戻すポンプの役目をしています。国立長寿医療研究センターでも、歩くなど足を動かすことで、血液が心臓に戻りやすくなるとされています。

歩くのが難しい方は、いすに座ったまま、足首を上下に曲げ伸ばしするだけでもかまいません。テレビのコマーシャルのたびに10回、など決めておくと続けやすくなります。

2. 足を高くして休む

横になって休むときは、クッションなどで足を少し高くすると、むくみがやわらぎやすくなります。ひざの下だけを高くすると足の付け根が曲がるので、ふくらはぎから足先まで全体をのせるようにします。

3. 長く座りっぱなしにしない

いすやこたつに長く座っていると、足を下げたまま動かさない時間が続きます。1時間に1回は立ち上がる、トイレやお茶をいれるついでに少し歩く、といった工夫がおすすめです。

4. 弾性ストッキングは医師に相談

足を圧迫する弾性ストッキングは、むくみ対策のひとつです。ただ、足の血流が悪い病気がある方には合わないこともあり、強さやサイズの選び方も大切です。使う前に、医師に相談してください。

むくみと一緒に見直したいこと

  • 塩分のとりすぎ:MSDマニュアル家庭版では、塩分のとりすぎはむくみを悪化させることがあるとされている
  • 水分は減らしすぎない:むくみを気にして水分をひかえると、脱水の心配がある。水分の制限は、医師の指示があるときだけ
  • 薬:一部の薬で、むくみが出ることがある。自己判断でやめずに主治医に相談
  • 体重:むくみが長く続く方は、毎日同じ時間に体重を量ると変化に気づきやすい

むくんで皮膚が張っているところは、傷がつきやすくなります。靴下のゴムのあとが深く残る、皮膚が赤い、熱をもっている、という場合も、早めに相談してください。

よくある質問

高齢の方の足のむくみについて、よく調べられている質問をまとめました。

朝になるとむくみが引いているなら、大丈夫ですか。

夕方にむくんで朝には引いているむくみは、長く座っていることなどによる軽いものが多いです。ただ、むくみの程度が強くなってきた、息切れが出てきた、などの変化があれば受診してください。

マッサージはしたほうがいいですか。

やさしくさする程度なら気持ちよく感じる方も多いです。ただ、片方の足だけがむくんでいる、痛みや赤みがあるときは、血のかたまりや感染症の心配があるため、マッサージはせずに受診してください。

むくみに水分をひかえたほうがいいですか。

医師から水分を制限するよう言われていなければ、自己判断で水分を減らさないでください。高齢の方は脱水になりやすく、かえって体調をくずすことがあります。

何科を受診すればいいですか。

まずはかかりつけ医に相談するのがおすすめです。むくみの原因に応じて、循環器内科や腎臓内科、血管外科などを紹介してもらえます。

むくみが続くと歩きにくくなりますか。

足が重くなったり、靴が合わなくなったりして、歩きにくくなることがあります。歩く量が減ると、さらにむくみやすくなるので、むくみの原因を確かめたうえで、できる範囲で体を動かすことが大切です。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 高齢の方の足のむくみは、長く座っている・運動不足による軽いものが多い
  • 急に・片足だけ・痛み・息切れがあるときは早めに受診
  • 家では、ふくらはぎを動かす、足を高くして休む、座りっぱなしにしない
  • 弾性ストッキングは医師に相談してから
  • 水分は自己判断で減らさない

むくみは、毎日の生活を見直すきっかけにもなります。まずは、親の足が片方だけむくんでいないか、両足を並べて見比べてみてください。


参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年10月確認)。むくみの原因はさまざまです。気になる症状があるときは、医師に相談してください。

  • 国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は?」(リンク)
  • MSDマニュアル家庭版「腫れ(浮腫)」(リンク)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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