玄関の段差が高くなってきたら|高齢の親の玄関ステップを、理学療法士が4つのポイントでチェック

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。

「玄関の上がりかまちが高くなって、親が上がるのに時間がかかる」「靴をぬぐとき、段差でふらつく」。高齢の親の玄関の段差が気になったとき、手すりと並んで考えたいのが、段差を小さくするステップです。

この記事では、玄関ステップを選ぶときに、理学療法士が見る4つのポイントを整理します。例として、パナソニック エイジフリーの「木製玄関ステップ 1段ワイド900(VALSMGSW)」を、メーカーの公式情報をもとにチェックします。

この記事で分かること

  • 玄関ステップを選ぶ4つのポイント
  • 木製玄関ステップ 1段ワイド900(VALSMGSW)の特徴(公式情報)
  • 向いている人・向かない人と、気になる点
  • 使うときの注意点と、介護保険の考え方

玄関の段差は、「上る・向きを変える」が重なる場所

玄関は、靴をはく、荷物を持つ、向きを変える、といった動きが重なります。しかも、一段の高さが大きいと、足を上げる動きの負担が大きくなります。手すりや式台の考え方は、玄関の段差で転ばないためにで書いています。階段の上り下りは、高齢の親の階段の上り下りも参考にしてください。

木製玄関ステップ 1段ワイド900(VALSMGSW)とは

パナソニック エイジフリーの製品ページでは、次のように紹介されています。

  • サイズ:幅90×奥行35cm
  • 高さ:8・15・20cmの3段階に調整できる
  • 重さ:8.0kg
  • 材質:本体は天然木・プリント紙化粧繊維板。固定金具はスチール、アジャスターはブチルゴム・スチール
  • 色:ブラウン
  • 取り付け:壁面に固定金具を木ネジで固定する。タテ・ヨコどちらでも取り付けられる
  • 分類:住宅改修用品

販売店のページには、天板にすべり止め塗装がしてあるとの記載もあります。価格は販売店によって変わるため、各ショップの商品ページで確認してください。

理学療法士が見る、玄関ステップの4つのポイント

次の4つで見ると、親の体と玄関に合うかどうかを判断しやすくなります。

玄関ステップを選ぶ4つのポイント:1 高さ、2 幅と奥行、3 固定のしかた、4 すべり止め

1. 高さ

まず、玄関の土間から上がりかまちまでの高さを測ります。その高さを、1段ずつ無理なく上れる高さに分けるのが、ステップの役目です。高すぎると、かえってつまずきやすく、低すぎると段差が増えて、足を引っかけやすくなります。このステップは高さを8・15・20cmの3段階に調整できるので、玄関の段差に合わせて選びやすいつくりです。

2. 幅と奥行

足の裏全体がのる奥行があるか、向きを変える余裕がある幅かを見てください。このステップは幅90×奥行35cmです。広い分、玄関の中で靴の置き場所や、車いすなどの動線とぶつからないかを、置く前に測っておきましょう。

3. 固定のしかた

ステップは、ぐらつくと、かえって転ぶ原因になります。このステップは、壁面に金具を木ネジで固定する方式です。賃貸の場合は、壁に穴をあけてよいかを先に確かめてください。取り付けたあとは、上がりかまちとステップの間に隙間や傾きがないかを確かめましょう。

4. すべり止めと材質

靴下や、濡れた靴で踏む場面もあります。販売店のページには、天板にすべり止め塗装がしてあると書かれています。ただし、どんな足元でも滑らないわけではありません。実際に、親がいつもはく靴や靴下で、踏み心地を確かめてください。

向いている人・向かない人

向いている人

  • 玄関の上がりかまちが高く、上り下りにふらつきやすい
  • 壁にしっかり固定できる玄関で、段差を小さくしたい
  • 手すりとあわせて、玄関の動きを楽にしたい

向かない人

  • 賃貸などで、壁に穴をあけられない
  • 玄関が狭く、幅90cmが置けない
  • 立ち上がりや、またぐ動作そのものが難しい(ステップだけでは支えにならない)

気になる点(デメリット)

  • 壁に木ネジで固定する。取り付けの作業が必要
  • 耐荷重の記載が、公式の製品ページにはない。購入前にメーカーや販売店へ確認したい
  • 幅90cmと広めで、玄関によっては置きにくい
  • 色はブラウンの1色
  • 販売店のページでは、返品・交換ができない。測り間違いに注意が必要

介護保険の考え方

玄関の段差の解消は、介護保険の住宅改修の対象になる場合があります。ただし、この商品の販売店は、介護保険の特定福祉用具販売事業者ではないと書かれていて、この販売店で介護保険を使って買うことはできません。住宅改修として使えるかどうかは、住んでいる自治体や、担当のケアマネジャーに先に相談してください。詳しい制度は、介護保険の住宅改修で書いています。

使うときの注意点

  • 取り付け後、実際に親と一緒に上り下りして、高さと歩幅が合うかを確かめる
  • 玄関の床に、靴や荷物を置きっぱなしにしない
  • ふらつきや、立ち上がりにくさが続くときは、かかりつけ医や担当のリハビリ職、ケアマネジャーに相談する
  • ステップだけで安心せず、手すりや、座れる場所もあわせて考える

よくある質問

Q. 玄関ステップがあれば、転ばなくなりますか。

A. ステップだけで転倒を防げるわけではありません。手すりや靴の見直し、玄関の片づけとあわせて考えてください。

Q. 高さはどれを選べばよいですか。

A. 玄関の土間から上がりかまちまでの高さを測り、1段ずつ無理なく上れる高さに分けます。このステップは8・15・20cmの3段階に調整できます。迷うときは、ケアマネジャーや、担当のリハビリ職に相談してください。

Q. 賃貸でも付けられますか。

A. このステップは壁に木ネジで固定します。壁に穴をあけてよいか、管理会社や大家さんに先に確認してください。

Q. 介護保険は使えますか。

A. 玄関の段差の解消は、住宅改修の対象になる場合があります。ただし、この商品の販売店では介護保険は使えません。使えるかどうかは、自治体やケアマネジャーに相談してください。

まとめ

  • 玄関ステップは、高さ・幅と奥行・固定のしかた・すべり止めの4つで選ぶ
  • 木製玄関ステップ 1段ワイド900(VALSMGSW)は、高さを3段階に調整でき、壁に固定する
  • 耐荷重は公式に記載がない。購入前に確認する
  • ステップだけで安心せず、手すりや靴とあわせて考える

玄関は、毎日必ず通る場所です。まずは、玄関の段差の高さを測って、親と一緒に上り下りの様子を確かめてみてください。


参考にした資料

  • パナソニック エイジフリー「木製玄関ステップ」製品ページ(VALSMGSW)(2026年10月確認)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

→ プロフィールを見る

Instagram・Threads・X・Facebookでも、親の転倒予防のヒントを発信しています。