要支援と要介護の違い|7つの区分と、使えるサービス・上限・相談先の4つの違い

「親の認定結果が『要支援2』だった。要介護とは何が違うの?」「要支援だと、使えるサービスが少ないの?」。要介護認定の結果を受け取って、こんな疑問をもつ家族は多いのではないでしょうか。

要支援と要介護は、介護がどれくらい必要かで分けられた区分で、使えるサービスや相談先が少しずつ違います。訪問リハビリで、要支援・要介護どちらの方とも関わってきた理学療法士の立場から、家族が知っておきたい違いをまとめます。

この記事で分かること

  • 要支援・要介護の7つの区分
  • 要支援と要介護、4つの違い
  • 要支援2と要介護1の分かれ目
  • 認定結果に納得できないときの対応

要支援・要介護の7つの区分

要介護認定では、要支援1・2と要介護1〜5の7つの区分に分けられます(どれにも当たらない場合は「非該当(自立)」)。区分は、認定調査や主治医の意見書をもとに、介護にかかる手間を時間に置きかえた「要介護認定等基準時間」などで判定されます。

  • 要支援1:25分以上32分未満
  • 要支援2・要介護1:32分以上50分未満
  • 要介護2:50分以上70分未満
  • 要介護3:70分以上90分未満
  • 要介護4:90分以上110分未満
  • 要介護5:110分以上

この時間は、実際に家で介護している時間ではなく、介護の手間の多さを比べるための物差しです。厚生労働省のページで、この区分の考え方が説明されています。

要支援と要介護、4つの違い

家族からよく聞かれる違いを、4つにまとめました。

要支援と要介護の4つの違い:1 状態の目安、2 使えるサービス(介護予防サービス・総合事業と介護サービス)、3 1か月に使える上限、4 ケアプランの相談先(地域包括支援センターとケアマネジャー)

1. 状態の目安

おおまかには、要支援は「日常生活の多くは自分でできるが、一部に手助けが必要で、悪くならないよう予防が大切な状態」、要介護は「日常生活のいろいろな場面で介護が必要な状態」です。数字が大きいほど、介護の手間が多いと判定されています。

2. 使えるサービス

要支援の方は、介護予防サービスと、市区町村が行う総合事業(訪問型・通所型サービスなど)を使います。要介護の方は、介護サービスを使います。

  • 要支援でも使えるもの:訪問看護、訪問リハビリ、デイケア、ショートステイ、福祉用具のレンタル・購入、住宅改修など(介護予防として)
  • 要支援では使えない・使いにくいもの:特別養護老人ホームへの入所、要支援1の方のグループホームの利用など
  • 福祉用具レンタル:車いすや介護ベッドなどは、原則として要介護2以上が対象

越前市のページでは、要支援の方のサービスでも、利用者以外の家族のための家事や、金銭の管理、医療行為などは利用できないとされています。このあたりは要介護の方も同じです。

3. 1か月に使える上限

自宅で使うサービスには、区分ごとに1か月に使える上限(区分支給限度額)があります。目黒区のページでは、1単位10円で計算した目安が次のように示されています。

  • 要支援1:5,032単位(約5万円)
  • 要支援2:10,531単位(約10.5万円)
  • 要介護1:16,765単位(約16.8万円)
  • 要介護2:19,705単位(約19.7万円)
  • 要介護3〜5:27,048〜36,217単位(約27万〜36.2万円)

この金額はサービス費用の総額の目安で、実際の自己負担は所得に応じてその1〜3割です。

4. ケアプランの相談先

要介護の方は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーにケアプランを作ってもらいます。要支援の方は、主に地域包括支援センターが担当します。令和6年4月からは、指定を受けた居宅介護支援事業所が、要支援の方のプランを直接担当できるようにもなりました。

要支援2と要介護1の分かれ目

要支援2と要介護1は、基準時間が同じ32分以上50分未満です。厚生労働省のページによると、このうち、心身の状態が安定していない方や、認知症などで予防のサービスを理解して利用することが難しい方は、要介護1と判定されます。

つまり、同じくらいの手間でも、予防のサービスで状態の維持・改善が見込めるかどうかで、要支援2か要介護1かが分かれるしくみです。

認定結果に納得できないとき

  • まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
  • 体の状態が変わったときは、区分変更の申請ができる
  • 結果そのものに納得できない場合は、都道府県の介護保険審査会に審査請求できる(期限がある)

よくある質問

要支援と要介護の違いについて、よく調べられている質問をまとめました。

要支援でも、訪問リハビリは受けられますか。

受けられます。要支援の方は「介護予防訪問リハビリテーション」として利用します。主治医の指示が必要なので、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。

要支援から要介護になることはありますか。

あります。体の状態が変わって介護の手間が増えた場合は、次の更新を待たずに区分変更を申請できます。反対に、リハビリなどで状態がよくなり、要介護から要支援に変わることもあります。

要支援だと介護ベッドは借りられませんか。

介護ベッドや車いすは、原則として要介護2以上がレンタルの対象です。ただし、状態によっては例外として認められることもあるので、ケアマネジャーに相談してください。

認定の有効期間はどれくらいですか。

新規の申請では原則6か月、更新では原則12か月ですが、状態によって長くなったり短くなったりします。期限が近づくと、更新の案内が届きます。

非該当(自立)だった場合は、何も使えませんか。

介護保険のサービスは使えませんが、市区町村の総合事業の一部(介護予防の教室など)は、基本チェックリストで対象になれば使えることがあります。地域包括支援センターに相談してください。

まとめ

最後に、この記事のポイントです。

  • 区分は要支援1・2、要介護1〜5の7つ
  • 要支援は予防が中心、要介護は介護が中心のサービス
  • 1か月に使える上限は、区分が上がるほど大きい
  • ケアプランは、要支援は主に地域包括支援センター、要介護はケアマネジャー
  • 要支援2と要介護1は、状態の安定や認知症の有無などで分かれる

区分の違いを知っておくと、ケアマネジャーとの相談がぐっとしやすくなります。まずは、親の認定結果の区分と有効期間を確認してみてください。


参考にした資料

この記事は、次の資料を確認して書いています(2026年10月確認)。介護保険の制度や金額は見直されることがあり、地域によって異なる場合もあります。最新の情報は、市区町村の窓口で確認してください。

  • 厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」(リンク)
  • 目黒区「区分支給限度額(介護保険から給付される一か月あたりの上限額)」(リンク)
  • 越前市「サービスの種類(要支援1・要支援2の人が受けられるサービス)」(リンク)
理学療法士 山下康希

この記事を書いた人

山下 康希|理学療法士
回復期リハビリテーション病院を経て、いまは訪問リハビリでご自宅に伺っています(ひと月およそ120件)。現場で見てきたことと公的な資料をもとに、転倒予防・痛み・住まいの工夫・介護保険など、ご家族が今日から試せることを書いています。

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